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高歌哄笑-古賀武夫エッセー-


平成十九年6月号 “いのち”を全身全心でつかむこと、そして「テラコンソーシアム」の始まり

第三の眼 “いのち”を全身全心でつかむこと、そして「テラコンソーシアム」の始まり

桜の季節も疾うに過ぎ去り、早、六月も下旬、月日の経つ早さに驚かされる毎日です。
皆様におかれましては、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。

さて、新年度も始まり、本当にたくさんの皆様のご協力とご苦労の賜物で、ミャンマー事業の継続はもちろんのこと、いろんな国々との交流、協力そして、国内でも沖縄の比嘉レイ子様、高知の森沙羅様他のご指導と五級緒力による「人間の翼」石丸進一搭乗零戦復元機魂上げ式・入魂式ならびに戦艦大和戦没者追悼式、夢の学校教育シリーズ「いのちのまつり」沖縄の比嘉レイ子先生講演会・シンポジウム、眼から鱗の「ヒトの教育の会」井口潔感性塾(師範塾)シリーズ、(特活)地球市民の会総会、(社)倫理研究所からの地球倫理推進賞・文部科学大臣奨励賞受賞祝賀会、等を執り行わせて頂きました。

本当に多くの皆さん、先生方から、教えられないくらいの教えを頂きましたことを心からお礼申し上げます。

そして、ついに、『テラコンソーシアム』(地球市民連合体)も少しずつ胎動を始めましたことを、まず最初にご報告申し上げたいと存じます。
私たちの地球市民運動の規範である、一九九二年の「テラアピール」の解説(これは、本年の総会の資料にも掲載しております)を、是非もう一度、お読みいただき、今年度以降の皆様、各地区地球市民の会での指針にして頂ければ幸いです。

APPEAL『人間の持つべき文明』(一九九二年発表)の本文を簡単に解説し、私たちの使命と役割を再確認してみましょう。

一.「カッコイイ元気人間」になりましょう!
「体・徳・智」自己の全存在の涵養を通し、曰く云い難き、見る人が、自然と頭を垂れるが如き、「美しさ、品格と高き志」を求め、人にGenkee!を与えられる人間になりましょう。物や金、点数、地位や名誉、財産などの小さな我欲を捨て、数字で計れないもの、お金などでは到底買えない、本物の価値を手に入れましょう。
二.「知性を深く、賢く、使う文明人」となりましょう!
知性は両刃の剣、知性という荒馬を乗りこなせる真に賢い人となりましょう。人類そして自分自身の生存と生長のため、他の国の人々、全てのいのちと共生するためにも、なにがあっても「ガハハ!」と笑い飛ばし、自分の力を思う存分発揮していきましょう。
三.全てのものと「つながってる」ことを自覚しましょう!
自分を超えた高きもの、大いなるものを畏敬し、この世に貴重な生を受け、自らの懸念の努力によって生き通すべき「素晴らしき存在」であることに目覚め、時間と空間を貫く自然、「全てのいのちの循環」に感謝しましょう。
四.「自分が変われば、世界が変わる」を実践しましょう!
地球環境問題とは、自分のこころ、生き方の問題であり、「鏡」であります。人間の本性、根っこは善いもの、自分の内外の“危機的状況”を省み、「当たり前」の感謝生活に変えて行きましょう。
五.「誠の大欲」を持つ人間となりましょう!
生まれたときは丸裸、あっちへ逝く時も無一物。一人では決して生きては行けません。まずは、父母、ず~っとつながっている無数のご先祖様たちのおかげです。「生まれてきたのが丸儲け、ここまで来たのが丸儲け、これから先も丸儲け」、「自利利他」、思いやりの心で家庭、学校、職場、地域、国家、人類の皆さんに恩返しし、あるがままの文明と平和に貢献し、敬愛される人となりましょう。

さて、「経済力上がりて、人間力弱まり、権利栄えて、民族、国家滅す」、所謂“平和と繁栄”を目指す現在の普遍的な物質文明追求の世の中で、新年度も私たちは、私たちの運動の中において、自分自身の使命と役割を、更に深く自覚しつつあります。
それは、私たちの運動は、「世界の平和と親善・地域社会の発展向上」のための時間と空間を超えた、“善き人”となるための自己教育、自他教育、相互協力の「ヒト、社会、自然、いのち」をモットーとした『世直し運動』であるということです。

ところで、四月六、七、八日の三日間に渡った「人間の翼」石丸進一搭乗零戦復元機魂上げ式・入魂式ならびに戦艦大和戦没者追悼式(四月七日は戦艦大和が撃沈された日です)、夢の学校教育シリーズ「いのちのまつり」比嘉レイ子先生講演会・シンポジウムの一番の意味は、零戦と戦艦大和という、最も日本人らしい人々が乗り組み、日本を守った人々の鎮魂を行うことにより、その方々の念いが解き放たれる様祈りを捧げたこと。

更に、沖縄から比嘉レイ子先生に来て頂いて、この催しを佐賀で執り行ったことは、沖縄に向けて出撃して行った神風特別攻撃隊の零戦と海上特攻の戦艦大和、大東亜戦争、第二次世界大戦に止まらず、幕末維新の戊辰戦争、沖縄戦、中国大陸での戦い他にも及び、さらに、広島、長崎の原爆の惨禍に倒れた人々の念いが、佐賀の地で、全ての戦争殉職者の自覚されない恨み、つらみそして怒りなどがすべて吸い上げられ、解き放たれる様祈りの誠を捧げた事に他なりません。

私たちは、これからも、世界各地で、心身の荒廃、貧困、食糧、紛争、戦争、エネルギー、環境問題などで困窮する人々のささやかな一助となれる様、『テラアピール』の精神を体現して、いのちを尊び、先祖への鎮魂、感謝、報恩、そして、その方々の念いを引き継ぎながら、人間の真の姿が現れ、みんなが笑顔に包まれ、幸せになれる運動を願い、祈り、続けて行きたいと思います。

(平成19年6月19日 古賀武夫)