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高歌哄笑-古賀武夫エッセー-


平成十六年2月号「かがやく瞳にありがとう」

鹿島市立浜小学校の生徒のみなさん、
PTAのお父さん、お母さん、山田邦雄校長先生他すべての先生方へ
昨日は、私ごときを光栄にも浜小学校の教育講演会にお呼び頂き、本当にありがとうございました。

訳の分からない話だったと思いますが、一時間半という長い間、生徒の皆さんがしっかり聞いて頂いたことをとても嬉しく思っております。

さて、6月12日の母タマ江の死去に際しましては、生徒ご父母、保護者の皆様におかれましては、13日の通夜、14日の告別式とたくさんのご列席を賜り、また、ご香料、ご供花等のご厚情を賜り、心から厚く御礼申し上げます。

講演のはじめのところで申し上げましたように、本当に雰囲気の良い、明るく、真心のこもった学校だと感じました。私は、まず、子供たちの素直な明るい笑顔、光に満ちた瞳に純粋な魂を感じました。そして、後ろに座って聞いていただいたお父さんお母さん、保護者の皆さんと周りの先生方に、辺りを包み込む暖かい笑顔と心を感じました。

いわゆる開発途上国を訪れた日本人が口を揃えて、「向こうの子供たちは,経済的、物質的に恵まれない中で、目がキラキラと輝いている。日本の子供にはそれがない」と言います。私は常にこの言葉に疑問を持ってきました。浜小の皆さんの目は、途上国の子供たち以上に輝いていました。私が接する他の子供たちの目も、みんな光り輝いています。

しかし、小学校から、中学、高校、大人と成長するにしたがって、その輝きが光を減じているのも真実だと感じています。特に、私たち大人にその傾向があるように思っていました。でも、浜小のご父兄、先生方の笑顔には驚かされました。「日本はまだ捨てたものじゃない」、そう、確信させていただきました。

「感動のない人生は、人生じゃない」、「親と教師が感動がなければ、子供たちも感動のある毎日は送れない、人を感動させる人には育たない」、と私は思っています。感動と安らぎのある、幸せな生活を送り、周りの皆さんもそうであってほしい。

昨日の私の話は、私自身が点数をつければ、40点くらい、とても申し訳なく思っております。それにもかかわらず、昨日のうちにアンケートの集計までお送りいただきました、教務の中島和久先生他、皆様心から感謝しております。環境のことを話すようにと言われていながらも、子供たちの顔を見て感謝しているうちに、話があっち行き、こっち行き、主催者の皆様の意図と違う話をしてしまったことも謝らせて頂きたいと思います。

さて、ここからは聞き流して頂いても構わない話です。私がこれから実践していきたいことを少しだけ書かせて下さい。

私のライフワークは、「人間の持つべき文明」を実現することだと考えています。言い換えれば、私たちの生活が、寡黙で心身ともに健康で、歓びに満ちた本来の素朴な当たり前の生活に戻ることだと思っています。

私は「日本」(この列島が形成されて以来の歴史、伝統文化の継承と発展)、「語学」(英語+2、国際理解)、「国際協力」(地球共感教育・地球市民、自他共栄)、「武道」(心身の練磨・平常心・武の道は和の道・文武一道・大自然の理道に和す)、「農漁業」(環境・円相・循環無端・循環型共生社会)を教育の五本の柱にしています。

そして、「自立・協力・共生」「つよくやさしくやさしくつよく」(体・徳・智の全人教育)「人・社会・自然・いのち」(調和)「循環・畏敬・感謝・共生」という道場訓と地球市民の会の理念を教育方針としています。

蛇足ですが、私にとって、英語道、空手道、人生道は、すべて、肉体的実践思想である武士道の云う自己完成、自己実現、安心、自然崇拝、親孝行、生死の超越、社会の安定と発展、強烈なる自我(大我)と大いなる道(天)への忠誠心と軌を一にし、「人事を尽くして天命に従う」生き方をしたいと思っています。ただ、それが、昨日の私の話では、旨くお伝えできなかったことを深く恥じ、おわび申し上げたく存じます。

末筆になりましたが、皆様のご多幸と更なるご発展をお祈りし、お詫びと感謝の誠を奉げさせていただきます。

(平成16年2月16日 古賀武夫)